院長ブログ
2014年2月 9日 日曜日
SAS患者のメタボリックシンドロームへのCPAPの効果
睡眠時無呼吸症はメタボリックシンドロームと関係があることが言われている。しかしながら、そのCPAPへの効果はいまだ明らかになっていない。
Sharmaらは、3か月間のCPAP群とコントロール群の血圧や脂質、血糖、メタボリックシンドロームへの効果を検討した。86人の睡眠時無呼吸症患者のうち、75人(87%)がメタボリックシンドロームを持っていた。3カ月のCPAP治療により、肥満度は軽度の低下(-0.37kg)にも関わらず、収縮期血圧が3.9mmHg低下、LDLコレステロール9.6mg/dl低下、中性脂肪18.7mg/dl低下、HbA1c 0.2%低下、メタボリックシンドロームは11/86(13%)の人が改善を認めた。また皮下脂肪や内臓脂肪に関しても有意な改善を認めた。
ゆみのコメント:
睡眠時無呼吸症への3カ月のCPAP治療により、血圧や皮下脂肪、メタボリック症候群の改善を認めた。この結果は、睡眠時無呼吸症自体が血圧や脂質、メタボリック症候群のひとつの原因となる可能性を示す。しかしながら、本研究はインド人、平均BMI 33と超肥満症例を対象としており、肥満度の低い日本人の睡眠時無呼吸症患者への効果はいまだ明らかではない。
この研究結果は睡眠時無呼吸症患者全員にあてはまるものではないが、臨床医として夜間のいびき、無呼吸の存在を考え、高血圧やメタボリック症候群をもつ患者へ、降圧剤やスタチンなどの薬物治療だけでなく多角的なアプローチが必要と考える。
引用文献:Sharma SK et al. CPAP for the Metabolic Syndrome in Patients with Obstructive Sleep Apnea. N Engl J Med 2011;365:2277-86.
Sharmaらは、3か月間のCPAP群とコントロール群の血圧や脂質、血糖、メタボリックシンドロームへの効果を検討した。86人の睡眠時無呼吸症患者のうち、75人(87%)がメタボリックシンドロームを持っていた。3カ月のCPAP治療により、肥満度は軽度の低下(-0.37kg)にも関わらず、収縮期血圧が3.9mmHg低下、LDLコレステロール9.6mg/dl低下、中性脂肪18.7mg/dl低下、HbA1c 0.2%低下、メタボリックシンドロームは11/86(13%)の人が改善を認めた。また皮下脂肪や内臓脂肪に関しても有意な改善を認めた。
ゆみのコメント:
睡眠時無呼吸症への3カ月のCPAP治療により、血圧や皮下脂肪、メタボリック症候群の改善を認めた。この結果は、睡眠時無呼吸症自体が血圧や脂質、メタボリック症候群のひとつの原因となる可能性を示す。しかしながら、本研究はインド人、平均BMI 33と超肥満症例を対象としており、肥満度の低い日本人の睡眠時無呼吸症患者への効果はいまだ明らかではない。
この研究結果は睡眠時無呼吸症患者全員にあてはまるものではないが、臨床医として夜間のいびき、無呼吸の存在を考え、高血圧やメタボリック症候群をもつ患者へ、降圧剤やスタチンなどの薬物治療だけでなく多角的なアプローチが必要と考える。
引用文献:Sharma SK et al. CPAP for the Metabolic Syndrome in Patients with Obstructive Sleep Apnea. N Engl J Med 2011;365:2277-86.
投稿者 ゆみのハートクリニック